昔の真空管式ラジコン送受信機(日乃出電工) 売れ筋

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昭和30年代初頭に使われた真空管式のラジコン送信機1台と受信機2台。外観は写真1番目のとおり。いずれも日乃出電工の製品で動作します。電波の周波数は27.12MHz。ラジコンの歴史に興味をお持ちの方は御覧ください。写真2番目から6番目までは送信機、写真7番目から9番目までは受信機、写真10番目は元箱。なお、写真1番目で送信機の右側に置かれたコネクタは、受信機を外部回路につなぐための部品です。送受信機の詳細な説明は以下のとおり。 (1)送信機(型名3-MET) キャリア信号(A1A)とトーン信号(A2A)のいずれを送信するか、スイッチで切り替えられます。真空管は3S4-SF×2と3S4の3球式。初段3S4-SFで27.12MHz の発振、次段3S4-SFで低周波発振、そして3S4で変調と出力増幅を行います。寸法は、持ち手を除いて、縦18cm、横13cm、奥行7cm。使用する電池は単1が二つと積層電池BL-045 (67.5V)が二つですが、BL-045は現在は手に入りません。しかし単5サイズで12Vの電池LRV08が市販されており、これを12個でBL-045×2と同じくらいの電圧になります。12個のLRV08は送信機の中に収まる大きさですので、実験したい方にはおすすめです。取扱説明書(写真8番目と9番目)によれば、ロッドアンテナをいっぱいに伸ばしたときの電波出力は600mWです。 (2)キャリア式受信機(型名12ER) キャリア波の断続信号(A1A)を受けてリレーを動かす受信機。ケースから真空管2本と同調コイルの調整ネジが顔を出し、ケース上には有極リレーと感度調整トリマーコンデンサが付いています。リレーには赤テープが巻かれています。ケース寸法は縦2.8cm、横7.5cm、奥行5.3cm。真空管は3S4-SF×2の2球式。初段3S4-SFで超再生検波、そこから出るクエンチング発振のノイズを整流して次段3S4-SFに入れリレーを駆動。検波と言っても、クエンチングノイズがキャリア波の入力で消える、ということを利用したもので、普通の検波とは少し違います。電池は1.5V と67.5Vを使いますが、67.5Vの電池は市販されていませんのでLRV08を6個で代用します。受信のときは同調コイルとトリマーコンデンサの両方を調整します。当時の雑誌「模型とラジオ(1959年8月号)」を付けますので、その21ページに載っている説明をお読みください(写真9番目)。 (3)トーン式受信機(型名13ER) 変調波の断続信号(A2A)を受けてリレーを動かす受信機で、キャリア波の断続には応答しません。外観と寸法はキャリア式受信機と同じ。リレーには青テープが巻かれています。双三極管3A5と1U5-SFの2球式。3A5の前半で超再生検波、1U5-Sで検波信号の増幅、その出力を整流して3A5の後半に入れリレーを駆動。電池は1.5V と67.5Vを使いますが、67.5Vの方はLRV08を6個で代用できます。受信のときは同調コイルとトリマーコンデンサを調整します。 (4)元箱 送信機と受信機12ERの箱ですが、古びて汚れています。その他に受信機13ERの箱の切れ端があり、そこに型名と検印が押してあります(写真10番目)。いずれもオマケと考えてください。 (参考までに)昔のラジコン操縦法 その昔は、飛行機やボートを操縦するとき、方向舵とエンジン出力を制御する二つのエスケープメントを使って、それらを受信機のリレーで動かしました。送信機のボタンスイッチを「―」と押せば左旋回、「― ―」で右旋回、「― ― ―」でエンジン出力の強弱を切り替えました。

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